タクシー広告の効果はどのくらい?100人にアンケート調査
交通系広告の一つでもあるタクシー広告は、タクシーを利用したことがある方なら誰でも見たことがあるはずです。タクシーはバスなどと違いプライベートな空間なので、広告もじっくりと見てしまう方もいるのではないでしょうか?
今回はタクシー広告の効果について取り上げていきます。タクシー広告に関するアンケート調査を行いましたので、その結果から分かること、考察できることなどを紹介していきましょう。
※調査方法・・・インターネットアンケート(20~60代以上の男女100名)
タクシー広告の効果はどれくらい?
東京都内のタクシー利用者の数は、年間で3億人以上、1日当たりでは1台30人以上ともいわれています。旅行や出張などで荷物が多いときや、公共交通機関でアクセスが悪いところに行く場合などに多く利用しますね。
タクシー広告には運転席の後ろに設置されるリーフレット広告(アドケース)、ステッカー広告(リア・サイドウインドウなど)、ビジョン広告(デジタルネイサージ)、車体に広告を貼るラッピング広告などさまざまな種類があります。タクシー内はプライベートな空間となるので、ほかの交通系広告と比べてじっくり見てもらえる確率が高いという利点もあるでしょう。
今回は、タクシー広告の効果はどれくらいあると思うか、消費者にアンケート調査を行いました。
タクシー広告の効果について「高い」「やや高い」「普通」「やや低い」「低い」の5択で回答してもらったところ、次のような結果となりました。
タクシー広告の効果は? | 人数(人) |
高い | 2 |
やや高い | 31 |
普通 | 18 |
やや低い | 32 |
低い | 17 |
このようにタクシー広告の効果は「やや低い」と「やや高い」が同じくらいという結果となりました。
「高い」と「やや高い」と回答した人を合計すると33名、「やや低い」と「低い」と回答した人を合計すると49名となっていて、どちらかといえばタクシー広告の効果は低いと感じている人が多いことが分かりました。
タクシー広告の効果を感じている人、反対に効果を感じない人は、どのような点からそのように感じたのでしょうか?ここからは回答した方の意見を、回答結果ごとそれぞれご紹介していきます。
効果が「高い」「やや高い」と答えた人の意見
- タクシーに乗る人には広告は良い宣伝になると思います。(30代・女性)
- タクシー乗車時はヒマなので目立つ広告には目がいくと思います。(50代・男性)
- なんとなく目につきますし、タクシーに乗る時はスマホを使っている事が多いのでついでに検索してみる事が多いので効果は高いと思います。(40代・男性)
- このような手持無沙汰な時に見る広告は、印象に残りやすいからです。(40代・女性)
- 1人で乗車しているときはヘッドレスについている広告などはついつい見てしまうと思うから。(40代・女性)
- 3密を避けるためにバスや電車ではなくタクシーを利用する人が増えているので今は以前より効果が高いと思います。 しかし、費用が高いので若者向けの広告では効果は期待できないと思います。(40代・男性)
- 会社のことを知ってもらえますし、それによって利用してもらえる可能性が高くなるためです。(30代・男性)
- 乗車している時間は意外と室内をキョロキョロ見回します。目の前にある広告は比較的覚えています。(60代以上・男性)
- タクシーに乗車中はヒマで、ついつい広告に目がいってしまうことも多いので、効果はそこそこ高いと思うからです。(20代・女性)
- タクシーの広告はふとした瞬間に目に入ることが多く、意外と印象に残っているから。(40代・女性)
- 長時間車内にいると必ず見てしまうからです。(40代・女性)
- タクシーに乗ってると暇つぶしに広告をみますし、飲食系は利用した事もあります。(30代・男性)
- 車内で集中してみているので高そうです。(40代・女性)
- タクシーの運転手と会話しながら目的地に行こうとすると、広告に目がいきにくいので効果が低いが、あまり話さない運転手だと広告に目が行きやすいので効果がある。また、乗客が行ったことの無い場所に行こうとする場合、車内や景色といった周りを見渡しながらになるので、効果はある。(50代・男性)
- タクシー乗車中は、他の機会に比べて、同じ広告を見続ける機会が相対的に高くなるから。また、比較的所得が多い人がタクシーを利用する傾向があり、利用エリアに応じてターゲットを絞りやすいから。(40代・男性)
- タクシーに乗っている時間にもよると思いますが、中の動画広告なら結構見るかなと思います。 車体のほうの広告も、一瞬でも結構見ますね。(30代・女性)
タクシー広告の効果を実感している人は、このようにタクシーに乗っている間は手持ち無沙汰になるので、なんとなく目に入ってくる広告を眺めてしまう・・・という声が多く挙がりました。タクシーが運行する地域の情報を広告として掲載することで、ある程度のターゲティングができます。
しかしタクシーを頻繁に利用するのは富裕層やお年寄り、荷物が多い観光客、終電を逃した人などです。この辺りをターゲットにした広告には効果があると言えるのではないでしょうか。
効果が「普通」と答えた人の意見
- 狭い空間で否が応でも広告が目に入ってしまうのは、興味のある広告だと効果があるが、そうでなければ反発を招いて逆効果だと思う。(50代・男性)
- 乗っていた時みた記憶がないから。(30代・女性)
- 日本では節約志向が高いので頻繁に乗る方は稀だからです。(30代・男性)
- タクシーをよく利用する人に響く広告なら効果があると思います。(50代・女性)
- 印象には強く残るもののターゲットにあった広告とは限らないため。(40代・男性)
- 今はスマホを持っているので、タクシーに乗ったらまずスマホを取り出して見る方が多いと思う、特に車内を見渡すことはないような気がする、ただ、何か自分の興味があるもの、必要なものがピンポイントで広告としてあった場合には見る機会もあるし、連絡先などをチェックすることも多いと思うので、広告の効果という意味では「内容による」と思います。(40代・女性)
- 田舎であれば自家用車は大人一人に一台あると考えられ、タクシーに乗るのは飲酒をした際や免許を返納したお年寄り、観光客がメインになる。また、都会であれば、終電を逃した等、タクシーの利用シーンは限られているので、その特定の人向けのものであればそれなりにあると考えられるから。(40代・男性)
- 携帯かメーターを見ているから。(20代・男性)
- とりあえず見るが、だからといって欲しいと思ったことはない。(20代・男性)
- 時間が短いから記憶にあまり残らないから。(30代・女性)
- タクシー広告は、タクシーに乗車するとすぐ目の前に掲示されているので、情報が目に入ってきやすいと思います。タクシーに乗車する間、手持無沙汰な時などには、広告があると、じっくり情報を見る事にもなります。広告に記載されたサービス等の情報が、もし、その時の自分にとって必要なサービス等の情報であれば、アクセスしやすくなり、便利だと思います。(50代・女性)
- 気になるものであれば引っかかりがあるけれど、そうでないもの流れで見るだけだから。(40代・女性)
タクシー広告の効果を普通と感じている人の意見をいくつか見てみると、ターゲットが限られることや都会と郊外でのタクシー利用率の差、乗車時間などから判断している方が多いようでした。確かに普段から頻繁にタクシーを利用する人は、ほかの公共機関を利用する人と比べると少ないですね。また一歩郊外へ出ると、車を所有している人がほとんどで、移動手段としてタクシーを選択するのは飲酒後などに限定されてしまいます。
このようなことから、タクシーを頻繁に利用する人には効果があるけれど、利用しない人にはラッピングされた広告を見ることでしか効果を得られないことが分かりました。
効果が「やや低い」「低い」と答えた人の意見
- 短距離しか乗らないので広告を見ている余裕がない。(50代・男性)
- タクシーを利用する人は年齢層や、職業などがある程度限定されるので広告を見る人も限定されてしまうと思います。乗車する際に広告を見る可能性は高いので、ターゲットを絞った広告であれば効果は出ると考えます。(30代・女性)
- 普段タクシーを利用していて、助手席のヘッドレストに設置された画面を意識してみることは少なく、車内に貼られたチラシも読むことは少ないため。(50代・男性)
- タクシー広告を見て、記憶に残った、インパクトがあったので後で検索をした、というようなことが自分自身では1回もないので、広告の効果は低いように思いました。(30代・男性)
- 何もすることが無いから見てしまうような気もするけど、外を見てたりして意外と見ないから。(50代・男性)
- タクシーをよく利用する年齢層(高齢者とか)には一定の効果がありそうだが、若い人や主婦などタクシーをあまり使わない層に訴えることができないので効果はあまり見込めなそう。(40代・女性)
- タクシーを利用しない人にとっては無縁だし、利用する人でも、たとえば飲んで帰るときとかは頭がしっかりしてないから、目にしても意味がないような気がします。(50代・女性)
- 自らの体験から言うと、タクシーに乗った時は外の風景を眺めていることが多く、タクシー内の広告に気を止めることはあまりありません。とても興味のある対象の広告なら別ですが、他の人も私とほとんど同様なのでは、と思うので、あまり広告効果は期待できないような気がします。(50代・女性)
- 駅などの公共スペースと比べると、タクシーは広告に気付くことが少なくなる感じがするからです。 タクシーは、飲み帰りなどで公共交通機関が使えない時に利用するケースが多いのではないでしょうか。 飲んでいる状態であれば、なおさらかもしれません。 (40代・男性)
- タクシーでの移動中は、スマホを見ている人が多いと思われるから。(50代・男性)
- 乗客は多様で、ターゲットがしぼれない気がする。(40代・女性)
- 今まで何度もタクシーに乗車したことがありますが、正直記憶に残っている広告がないためです。 観光地などで目的地に関連した広告なら多少効果があるのではと思いますが、 自身がタクシーを利用するのは、急いでるときや疲れている場合が多いので、 広告に目を向けることはあまりなく、寝てしまうか、起きていても携帯を見ていて注目しないことがほとんどです。(20代・女性)
- タクシーに乗っているときに広告は見ない。 仕事の情報を確認するか、スマホを使用することが多い。 (30代・男性)
- タクシー自体の利用者が限られるし、ほぼ見てもらえないと思うので効果は薄いと思います。(30代・男性)
- 視界には入るけど、よっぽどインパクトのある広告でないと、効果は低いと思うので。(40代・男性)
- タクシーでは常に心身のリラックスがしたいので、広告が目障りに感じるからです。(30代・男性)
- 興味のある広告を見たことがないから、記憶に残らない。(40代・女性)
- 利用する方がお年寄り、観光客、仕事で来ているなど、利用目的がゆったりして広告を見るという感じには取れないと思うからです。お年寄りは購買意欲があっても、ネットはできませんのでその場の情報をタクシーの中でメモして、後日行こうなどとアクティブな事は考えにくいと思います。(50代・女性)
タクシー広告の効果を感じていない人は、インパクトを感じる広告がないことやタクシー利用率の少なさを理由に挙げていました。乗車中にボーッと広告を眺めていても、インパクトのあるものや興味を惹かれるものでない限り印象に残りません。また意見の中にもあったように、飲酒後にタクシーを利用する人などは酔っぱらっていて広告の内容を覚えている人は少ないように思われます。
さらに乗車中はスマホを操作していることも多く、タクシー車内の広告に目がいかないという人も多数いて、タクシー広告の難しさが露呈される形となりました。
タクシー広告は効果が限定的!
今回のアンケート調査では、タクシー広告の効果についてどちらかといえば低いと感じている人が、約半数となりました。効果が低いと感じる人は、タクシー利用率の問題や対象となる人の少なさを理由として挙げていて、タクシー広告は効果が限定的になってしまうことが分かりました。
アドトラックも都心部を中心に走行するため、郊外で目にする確率は少ないかもしれません。しかし、タクシー広告と比較すると乗客よりも多くの人・年齢層をターゲティングでき、大きな音声と迫力の画面でインパクトを与えることができます。アドトラックの効果についてはこちらの記事でご確認ください。
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