世の中にあふれている広告のうち、実際に消費者からじっくりと見てもらえるものはどのくらいあるでしょう?広告はあまりにもありふれていて、日常に溶け込んでしまっているため、消費者の目を引き付ける「なにか」がないと、なかなか記憶に残してもらえません。
なかには広告を「なかったもの」として視界に入れないようにしている人もいます。そういった人の心をもつかむ広告を作れたら嬉しいですよね。
今回は、アドトラックに貼り付ける広告面にも活かせそうな、広告で注意を引く方法をいくつかご紹介します。デザインする際の参考にしてくださいね。
消費者が広告を見る・記憶するという動作は、受け身でなく能動的に「おもしろそうだからじっくり見たい」と感じたときに起こります。「見たい」と思うものはなにか、考えたときに大事なのが「その広告におもしろさがあるか」ということです。
一口におもしろさといっても色々ありますね。
などなど。実際にTwitterで探してみると次のようなものを見つけました。
最近はやりの自虐広告に、近畿大学さんも手を染めたようです。残念です。 pic.twitter.com/i1GepdNm23
— 週刊ひがしおおさか(10/5は情報ノーサイド) (@w_higa) June 3, 2015
こちらは大学の広告なのですが、実際の大学名を覚えてもらえないのを自虐的に表現したものです。大きなマグロにも目が行きますが「マグロ大学ってなに!?」と思わず二度見したくなるアイディアです。
こないだ阪急電車でたまたま乗った電車が、SDGs車両やってそんなのあるのかと驚いたのだが、中の広告にビーガンワード発見して更にテンションあがった件。
しかし③の昆虫食はありえない&省いてほしいわ😓
動物の視点を含めないで持続可能な未来とかありませんからね。#GoVegan pic.twitter.com/bPTzmhkkcZ— さっち~❤VEGANとは動物達の声になること (@ForeverVeganism) June 15, 2020
こちらは電車内の中吊り広告ですが、消費者に対する問いかけになっています。さらに「昆虫食」という謎ワードを入れることで興味を誘っていますね。
またキンチョウの広告がおもしろい。世の中の状況が日々変わるから、いろんなケースに合わせて6タイプの広告つくってぜんぶ載せてるw 本音のコピーは強いなぁ。
それぞれのタイプはリプライ欄↓#金鳥#KINCHO#キンチョウ#大日本除虫菊 pic.twitter.com/ep8Dg1eQfH
— 松田広宣|コピーライター (@hirocopy) May 28, 2020
こちらも面白い自虐ネタですね。ありふれている広告のなかで、どんな広告を作ったらいいかもう分からない・・・という広報担当者の心の叫びがそのままキャッチコピーになっています。思わず、「どこの企業の広告なの?」と企業名を探してしまいます。
JINSの広告おもしろい pic.twitter.com/hVUEPzRfpc
— mao (@maorambooooo) November 20, 2019
このような画像を使って消費者にクイズを出すようなタイプも思わず見てしまいますね。さらに、「これが見えたら3分の1に入れる!」という欲求のもと、ついついじっくり見てしまう人も多いのではないでしょうか?消費者に挑戦を挑むという方法もアリですね。
なかなかおもしろい広告やな。 pic.twitter.com/WQv8AzjjN4
— きりたろう (@asF4YyIQW1MhULH) January 1, 2020
こちらの広告の意味が一瞬ではよく分からないので、何度も読んでしまうようにできていますね。上から読むとネガティブな文章で、下から読むとポジティブな文章になる・・・という読ませる広告です。
今朝の日経に出てた広告。これでもちゃんと読めるのがおもしろい。人間の目はよく出来てる。 pic.twitter.com/dEW21QND1a
— ボス (@pinturihhiko) October 10, 2020
普通ならありえない、字が反転している広告です。「わざとですよ」と書いてあるように、わざとこのように読みにくくして注意を引く作戦です。
吉田ユニ展『Dainalog』行ってきました*広告っておもしろいなぁ。僕はこの果物のシリーズが好きなんです。#吉田ユニ展 pic.twitter.com/D7bB9Kuj3S
— 嶋津 亮太 (@RyotaShimadu) November 18, 2019
こちらはフォトジェニックな広告です。思わず「なにこれ!」と思ってしまいね。特にカツラが宙に浮いているものはとてもシュールです。
【シン・ゴジラ公開記念日】
2016年(平成28年)7月29日公開
建て替え直前の渋谷PARCOの壁面に、
「どうせ壊すから大胆な事しちゃっていいよね?」
建物壁面に直接ひび割れや汚しなどを書き込んだ超大胆なとシン・ゴジラの等身大の顔の立体パネル広告。#シン・ゴジラ公開記念日 pic.twitter.com/7FyeTDKmGW— 情景師アラーキー/荒木さとし (@arakichi1969) July 28, 2020
こちらは大きなモニュメントを使った広告です。日常空間に普段そこにいないものがドーンと現れるとびっくりしますよね。このように大きなモニュメントを使った広告はアドトラックにもあり、ロボットレストランではトラックの荷台に巨大ロボットを積載して宣伝しています。
消費者の注意を引く方法として、わざと危険や不安あおる方法もあります。「危険!」や「注意!」というフレーズを使うことで、消費者に「なにが危険なの?」「今すぐ見みなきゃ」という気持ちにさせることができます。
「あなたは大丈夫?」
と不安をあおる方法も効果的です。
人間は、危険と感じるものは強く意識するようになっています。赤信号になったらすぐにブレーキをふみますし、出かけるときに「家の鍵かけたかな?」と思ったらすぐに引き返しますよね。危険や不安に遭遇すると、すぐ行動に移すようになっているため、広告でも危険や不安をあおるとすぐに検索してもらえる可能性が高くなります。
消費者は常に「お得な情報」を求める傾向にあります。ですから、もし宣伝したい商品・サービスにお得なキャンペーンなどが付随しているのなら、それを大きく取り上げましょう。
など、購買意欲を掻き立てるようなフレーズを使うと良いでしょう。
人の注意を引く広告には、色使いも重要です。
色には目立つ色と目立たない色があるのはご存知かと思います。
青や緑など寒色系よりも、赤や黄色などの暖色系の色の方が目立つため、目が行きやすくなりますね。特に背景を暗くした場合、赤や黄色などはパッと浮き上がったように見えるため見逃しにくくなります。小学生が黄色い帽子や黄色いランドセルカバーをつけているのも、目立たせて歩行しているのを知らせ事故に遭いにくくするためです。
とはいっても、すべての広告が暖色系で作られてしまうのも個性が欠けてしまいますね。企業やブランド・商品・サービスのイメージカラーなどをベースに、より目立たせたい部分を暖色系カラーではっきりとさせると効果的でしょう。
アドトラックの広告面をデザインする際の具体的な色選びについては、こちらの記事を参考にしてください。
>【アドトラックのデザイン】広告効果が高い色選びとは?
広告は日常にたくさんありますが、どの広告も「目立つように」作られているはずです。目立たないと消費者に見てもらえないからです。
しかし目立つ色やデザインの配置など同じようなものがたくさん並んでしまうと、目立たなくなってしまいます。すべて同じものに見えてしまうからですね。
そのなかでも消費者を引き付けるためには、もう一ひねりアイディアが必要です。今回ご紹介したような「おもしろいと思うもの」「絶対にありえないもの」などを使うと、消費者も二度見したりじっくり見てみたりしたくなるかもしれません。